EXPERIMENT

『探求』Experiment
ある物事を得ようと探し求めること。

この秋、兵庫県立豊岡高校1年生と『探求』の授業に取り組んでいます。
「未来からの挑戦状」と呼ばれるこちらのプログラム。いくつかのテーマが与えられ、各テーマごとに16名が4つのグループにわかれて、担当ナビゲーターとともに探求をおこなうというもの。

ダンストークがナビゲートを担当するテーマは【アートによるまちづくり】
15年後の豊岡について考え、学年内さらには外部での発表を目指します。





初回講義では、別府や鳥取など全国の事例を紹介しつつ
「アートって何?」「まちづくりって何?」っていうところから、このテーマの考え方についてまず共有。どうしてまちづくりの中にアートが取り入れられるようになったのかとか、コミュニティアートって何だ、とか、そういうお話をしました。


そして、みんなの住む豊岡市ではどんな取り組みが行われているのか?

城崎国際アートセンターのこと、城崎のまちのこと、
ダンストーク誕生の経緯や私たちがかかげている理念などもお話した上で。

● 地域社会のどのような場面で『アート』が力を発揮すると思いますか?

● 豊岡には今、どんな課題がありますか?
● 『アート』でどんなアプローチができると思いますか?
という問いをみんなに投げかけました。答えはきっと、ありません。





まちへリサーチに飛び出したプログラム4日目。
既に豊岡では文化芸術によるまちづくりが始まっている。
城崎国際アートセンター(KIAC)が設立されたのは2014年のこと。(広報とよおか11月号参照:http://www.city.toyooka.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/006/426/11.pdf *ダンストークも掲載していただいています!)

では、豊岡・城崎にはどういう課題があって、ここに何が誕生し、地域として今私たちはどういうフェーズにいるのかということを聴いてみよう。というわけで、KIACの田口幹也館長・みなとやの久保田一三さんにお話を伺いに行きました。





人口減少、観光客、具体的な数字の変化とあわせて、度々でてくる『多様性』というキーワード。価値観の多様性、文化の多様性。なんだか難しく聞こえるけど、言葉の意味をみんなじっと考えながら聞いています。

アーティストも住めるまち、それってどういうこと?

演劇やダンスはふわっと立ち上がり消えていく芸術、でもここに残っているものって何?
それとまちづくりってどんな関係があるの?そんなことを話しました。




それぞれの取り組みには、まず問題意識があって、そこから改善に向けての探求があって、生まれてきた様々な作品やプロダクトがある。KIACで生まれた作品もそう、本と温泉さんから生まれた作品もそう。そして、地域の方々が取り組む夢花火などもそう。そういった濃〜いお話を一気に聴いた生徒たち。

「頭が破裂しそう〜〜〜!」そりゃそーだ。

でも、なんでだろう?どういうことだろう?という問いをまず持ってほしい。

「アートによるまちづくりっていいよね!だってお洒落だし!面白そうだし!」ではなく。まずは
問いを立てること、そしてその答えを探し求めること。その課題にアートで取り組むってどういうこと?どうやって?じっくり考えることが、この授業のもっとも重要なポイントで一番楽しいところだとも思います。

「ちょっと待って、あれ、豊岡には何がある?」
「課題も大事だけど、豊岡には何があるのかって考えてみたほうがいいよね?」

とインタビュー後につぶやく生徒たち・・・うん。そうだよね、考えてみて!!!

責任はとらなくていい、でも真剣に考えてみてほしい。
迷ってもいい。悩んでもいい。でも考えるのを諦めないでほしい。

そんな想いを込めて、残り数回の授業に取り組んでみたいと思います。私たちにとっても、探求であるこの授業。どんなところへたどり着くのか、ワクワクしつつ見守りたいと思います。