TOCOTOCO COSTUME

城崎温泉を拠点に活動する、こどもダンスカンパニー"とことこダンサーズ" 
2019年8月から活動してきた10人のメンバーの『自分たちで自分たちのダンス作品をつくる』クリエイションがいよいよ大詰めを迎えています!

2月8日(土)〜9日(日)の2日間、この8ヶ月間の最終プログラムとして、ゲストアーティストに京都からデガちゃんこと出川晋さんと、神戸からミオポンこと新井海緒さんに来ていただき、美術・衣裳クリエイションを開催しました。




そもそも、たった1日(1時間弱)の本番で一瞬使うだけの衣裳や小道具・・・
「購入した方が早いしスムーズなんじゃないの?」と思う人は多いかもしれません。

たしかに、美術も小道具も衣裳も、そして音楽も、
お金を出して既存のものを手に入れた方が早いし便利。

でも、とことこダンサーズでは、そういったダンス作品に必要なものを
すべて手づくりで時間をかけて、アーティストの方々と一つずつ製作してきました。




「どうして?」その理由はたくさんあるけど、まず何よりも、それが美しいから。
そしてつくるプロセスの中で、アーティストから直に吸収できることがたくさんあると思うから。肌で触れ合い、たくさん感じて・たくさん考えて、ここにしかない表現・ここにしかないクリエイティビティを育んでいます。

一日目のはじまり "とことこ会議"では、デガちゃんから今回のクリエイションの核となるお話がありました。

『ツクモガミって知ってる?』

− 誰かが使い続けて、いらなくなったもの・使わなくなったものには
魂(キモチ)が宿っている。そこには神様がいる。
このまちにあるいらなくなったモノ・捨てられるはずだったモノで
作品をつくろう(使わなくなったモノでも大切にしよう)。




この日までに、まちの方々にご協力いただいてたくさんの材料が集まりました。
シーツ、浴衣、温泉タオル、
下駄、色鉛筆、消しゴム、カニの甲羅・はさみ…
(ご協力いただいた地域の皆様、ありがとうございました!!!)


作品に使用する美術・衣裳をつくる、2日間のスタートです。

− 僕が準備してるものはあくまでも提案やから、
「いやだな」「ちょっと違うな」と思ったらいつでも言ってな

でもその代わりにどうしたらいいと思うか、代案・意見もちょうだい

アーティストと子どもたちは先生と生徒ではなく、あくまでも一緒に作品をつくるメンバー。対等な立場。これは全体を通して、とことこが大切にしているスタンスです。それはダンスの時間でも、音楽の時間でも、美術の時間でも、一緒。



一日目の始まりは自己紹介がてら、みんなでマイ手ぬぐいを製作しました。
頭の中でデザインを描いてから製作に取りかかる子、やりながらどんどん色を変えていく子など、本当にさまざま。




頭が完全にクリエイションモードに切り替わったところで、午後からは大きなバケツで本格的な「染め」をスタートしました。ちなみにこの日は雪や霰がパラつくほどの寒〜いお天気。

「寒いー!けど楽しいー!けど寒いー!」といいながら、
真っ白のシーツを1枚、また1枚と、素敵な色・柄に染めていく子どもたち。慣れてくると模様にもこだわりが出ます。思ったように模様がでたり、でなかったり。でもみんな満足そう!



朝からぶっ続け6時間のクリエイションが終了。

翌日もまた朝10時に集合です👋

二日目は、①衣裳チーム、②染めチームにわかれて作業再開。
「温泉の神様」「下駄の神様」「カニの神様」をつくる衣裳チームは小学4・5年生。
ミシンの使い方を教わって、自分たちでカタカタとタオルを縫ったり、シーツをビリビリと破りながら1枚のシーツでドレスをつくったり。古くなった浴衣をリメイクして、新しい衣裳を開発したり。




その頃、染めチーム(小1〜3年生)は温泉寺の境内で「ぎゃー!寒いー!」とさけびながら、1日外に置いていたバケツに手を入れて前日に続きシーツを染めていました。




さすが2日目。みんな手慣れてきてる!!ここで染まったシーツは、最後のシーンに出てくる予定。どこで登場するのか、お楽しみに✨



そして午後は、小道具づくり。

『城崎の景色』を描いたトレーシングペーパーを貼り付けて、灯篭づくりをするチームや、
カニの甲羅やハサミで「通称・カニトロフィー」や頭飾りをつくるチーム、まるでお風呂上がりな、温泉タオルヘアーなど、それぞれもくもくとラストスパートです。



他にも色鉛筆の額あてや、消しゴムネックレスなど、
おもしろい作品がた〜くさん誕生しました!?2日間が終わる頃には、大人も子どもも出しきってヘロヘロになったほど(ヘロヘロになりすぎて集合写真を撮るのも忘れました 笑)



デガちゃんとアラポンのおかげで、すごい作品がたくさん。
終演後、展示会をしたいくらいです❤️

これらの作品をつかって、いよいよ来月3月30日(月)にとことこダンサーズは本公演
を開催します。只今ダンスの振付・構成のクリエイションもラストスパート。

ダンスはもちろん、美術も音楽もすべて手づくりの新作は約40分間の作品になる予定です。

舞台はナマモノ。この日限り、この瞬間限りの本番です。




本公演が終わったら第1期を一緒に走ってくれたこのメンバーは解散となります。

ダンスカンパニーとしての風通しをよくするため、毎年結成・解散を繰り返し、メンバーを固定しない『とことこダンサーズ』。今期の10人の集大成、たくさんの方に見ていただけますように。


とことこダンサーズの続報を、お楽しみに〜!!